「CP+(シーピープラス)2016」が2月25日~28日カメラと写真映像のプレミアムショーがパシフィコ横浜にて開催された。会場で触れた実機の印象等をレポート。
CP+2016ニコンブース
CP+2016ニコンD5、D500
◆Nikon D500高感度ノイズ
パソコンモニター100%でキャノンEOS-5D markⅢ、ニコンD810ではISO6400でノイズが目立ちはじめますがD500はどうでしょう。
カメラ液晶モニターの最大拡大で見た印象ですが、ニコンD500はDXフォーマットながら高感度特性に優れISO25600においても暗部ノイズを感じないほどでした。
D500もパソコンモニター100%で確認できれば良いのが、撮影したサンプルデーターの持ち帰りは禁止で残念ですが、更なるチューンナップをしている最中であることを期待し発売日を待ちたいと思います。D4s、D810等の画像処理エンジンEXPEED4の古さを感じるほどD5、D500に搭載されたEXPEED5の進化を感じられるでしょう。
CP+2016キャノンブーズ
CP+2016キャノンEOS-1Dx markⅡ
◆NikonD5 vs Canon EOS-1Dx markⅡ高感度ノイズ
ニコンD5最高ISO3280000、D500最高ISO1640000、キャノンEOS-1Dx markⅡ最高ISO409600、ソニーα7S最高ISO409600と最高ISO感度値を比較してもあまり意味が無い。実際の常用ISO感度をテストしてみたいところ。
カメラ液晶モニターの最大拡大で見た印象ですが、EOS-1DxmarkⅡは常用ISO感度51400でもざらつきノイズが見えますがニコンD5は同感度でその様なノイズが見えませんでした。高感度特性はニコンD5が圧倒的のようです。
どこまでを実用ISO感度とするかは人それぞれですが、皆さん少なくともこれまでの1絞り分以上は実用ISO感度をアップできるのではないでしょうか。
これまで発売されているノイズレス高感度デジタルカメラはソニーα7Sが跳びぬけていましたが1200万画素クラスカメラでした。2000万画素クラスのカメラもソニーα7Sのようなノイズレス高感度カメラが出現し技術の進歩に驚いております。
◆Canon EOS-80D高感度ノイズ
EOS-7D markⅡは、ISO3200から少々ノイズが目立ちますがEOS-5D markⅡの暗部の赤系ノイズよりは良いので実用範囲としたいところ。EOS-5D markⅢのISO6400と同じ位のノイズレベルを期待。カメラ液晶モニターの最大拡大で見た印象ですが、EOS-80DはEOS-7D markⅡと同様な位に見えました。EOS-80Dの私的実用範囲はISO3200まで許せる範囲かと思われます。
Canon EOS-80Dは、EOS-70Dより改善されたものの高感度ノイズに強いNikon D500と比較できるものではない。しかし価格帯の違いが大きいため一概に比べるものでもないでしょう。
◆動画撮影
4K30P動画撮影は、フルサイズニコンD5はFXフォーマット2082万画素の内のDXベースの動画フォーマット撮影範囲の画素と同じ様なサイズでの撮影となる。そのことからニコンD500は、2088万画素ほぼフルサイズ4K30P動画撮影となると思ったが、先日出回ったD500の24ページ版のカタログがらするとD500の4K30P動画撮影はDXベースの内側を大きく切り込んだサイズとなる図が掲載してあった。キャノンEOS-1Dx markⅡは4K60Pと別格ですが快適に編集できるパソコン環境を整えることも大変なことであるでしょう。
◆液晶モニターのタッチ操作
キャノンEOS-80D、ニコンD500は、ライブビューの画面上でタッチが切れる「タッチシャッター」搭載。キャノンEOS-1Dx markⅡ、ニコンD5は、タッチフォーカスでタッチでシャッターは切れない。D5は、待ち望んでいたライブビューの画面上でタッチした位置にホワイトバランスを合わせられる「スポットホワイトバランス」を搭載されている。
◆高解像度画質
高画素タイプのペンタックス645Z、ニコンD810、キャノンEOS-5DsR等についても同様についても同様に画像1コマあたりのデータ容量が大きくパソコンハードディスク等を圧迫し、大量に画像を扱うワークフローに向かない。
ニコンD500においては高画画素フルサイズFXフォーマットD810に及ばないが、そこまでの高解像度を必要とする撮影は当方には無い。
私的にこの3機種の中では高感度ノイズ処理に優れるニコンD810がバランスの良い好ましいカメラと思います。
◆連写秒間
キャノンEOS-1Dx markⅡの秒間14コマ(ミラーアップ時16コマ)は、他を圧倒しており、フォーカスも良い。キャノンブースにいた体操選手の棍棒動作を適当に連写してみましたら劇的なコマ送り的画像が写っていました。
ニコンブースには、動体撮影するようなものはありませんでしたのでD5秒間12コマの連写とフォーカスのバランスなどは確認できませんでした。
一昔前は、各社フラッグシップ機の最高連写秒間10コマでいたが、キャノンEOS-7D markⅡやニコンD500のクラスが最高連写秒間10コマと小型軽量カメラの進化も目覚ましい。
シャッター音やシャッター感触等は、好みによるものでしょうからコメントは差し控えます。
CP+2016キャノンブース:体操コス撮影モデル
◆フォーカス精度
EOS-7D markⅡでレンズ35mmから広角側で1.3m程の位置からファインダー1点スポットフォーカスで撮影すると5cm前後前ピンに写る現象が出ております。
距離が離れれば離れるほど前ピンの量が増します。
しかし、ズーム全域でマクロ的近距離で撮影するとジャストピントです。
このような不具合はAFマイクロアジャストメントで調整できることではないのです。
望遠ズームを付けての動体撮影は、望遠側の画角での撮影となり背景にピントが飛ぶことは多々ありますが気になるピンボケはありません。5種類の純正広角系単焦点とズーム交換レンズで試しましたが同様の結果です。
EOS-5D markⅢで同様のテストをしましたが、この現象はおきません。
キャノン修理センターへ1年以上7度ほどやりとりし、毎回、キャノン修理センターで現象は確認認識されて、レンズ・カメラの調整は勿論のことカメラボディーのフォーカスセンサーを交換しても直りませんでした。
信頼おけるAPS-Cタイプのカメラが必要でしたので、7D markⅡの良品を購入しようと量販店で中古を含め5台テストしてみましたが良いものはありませんでした。(中古をテストしたのは、製造ロットによる違いを確認する為です)メーカー側に一連のテストデータをそのつど渡っていますので、改善されてきます事を期待しております。
今回、CP+にて新製品キャノンEOS-80Dのピント精度の具合をテストしました。
キャノンブースの正面から両サイドに並ぶ一番奥側のキャノンスタッフの横顔(耳部位)にファインダー1点スポットフォーカスで撮影しましたら、1人手前の人の頭にピントがきていました。
何度やっても同様の前ピンでしたので、カメラ設定等で直らないものかキャノンスタッフの方にその状況を話しましたが改善策無し。
これは、先に上げました7D markⅡ前ピン現象と同様と思われます。
◆私的総合結果
ニコンD500が魅力的です。小型のボディー新機能を詰め込んでありますので、何かおきない方が不思議な位でしょう。半年から1年位様子をみてから購入したいと思います。
キャノンEOS-80Dは、フォーカスの問題をクリアーできれば一般的な撮影にはリーズナブルな実用的カメラで直ぐにも購入予約したいとことです。
フラグシップ機キャノンEOS-1Dx markⅡvsニコンD5は、連写性能または動画4K60P動画を重視する撮影ならEOS-1Dx markⅡを選ぶ。EOS-1Dx markⅡはニコンD5に高感度ノイズ特性に格段の差をつけられたがスポーツ写真等のレベルであればEOS-1Dx markⅡでも十分でしょう。ニコンD5は、先にも上げました様により高感度撮影は跳びぬけて優れている。また3種類ののホワイトバランスAUToが選択できたり先に上げました「スポットホワイトバランス」機能や、新型ニコンSB-5000スピードライトストロボとの組み合わせでの多灯ライティングシステムのリモートフラッシュは最大6グループ(A、B、C、D、E、F)、18台まで設定できる。ニコンD5は、写真画質に関わるプロ志向強いトータルバランスにも優れたカメラ。私的にどちらかを選択するのであればD5に魅力を感じます。しかし、主に撮影する被写体がカメラ2台をぶらさげて動き回り、場合によっては走ったりすることもありますもので、ある程度軽量・コンパクトであることも重要視しておりますもので、フラグシップ機やニコンD5の性能は必要としません。現行の中級機でも十分仕事に使える性能ですが、近い将来、技術の進歩により現行のフラッグシップの機能が下級カメラに下りてくるでしょう。
◆想像未来
フラッグシップは、人工知能によりスーパーバカチョン化が進んで撮影価値や撮影意義に疑問を持つようになってくるかもしれません。
例えばスタジオポートレート撮影においてはカメラが幾ら進歩しようがライチュング技術がものをいう世界でしょう。しかし多灯ライチュングもそれぞれのライトスタンド位置・高さ、ストロボの向き・角度・発行量、バック紙の選択変更、等がプロライティングノウハウをプログラム化したソフトにより自動化されれば、人間のやることは無くなってくる。ハレ切り、レフもシステムに含まれてきたりで、そうなってくると微調整でどれだけ標準を狂わすかがノウハウなんてことが起きてくるかもしれません。この様な事は、技術的には難しいことは無いでしょうがそんな馬鹿げたものを実際に作ろうとするかは別の話。これからどんな未来に生きられるか楽しみです。
◆ワールドプレミアアワード発表
レンズ交換式カメラ部門
キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社
EOS-1D X MarkII
レンズ一体型カメラ部門
キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社
PowerShot G7 X MarkII
交換レンズ部門
株式会社シグマ
50-100mm F1.8 DC HSM | Art
フォトアクセサリー部門
株式会社ケンコー・トキナー
激落ちくんカメラレンズクリーナー
「CP+2017」は、2017年2月23日(木)~2月26日(日)を予定。