とある小学校の移動教室での話vol.5(特異性の理解)

とある小学校の移動教室での話 vol.1 vol.2 vol.3 vol.4
※上記リンク「とある小学校の移動教室での話vol.1、vol.2、vol.3、vol.4」の続きの話です。

生徒さん達は各班の部屋に戻り、寝る前にの一日を振り返り日記を書きます。
通常、初日のその時間帯に各部屋毎の班の集合写真を撮ります。
各部屋毎の班の集合写真で女子生徒さん達は、あれこれチアーの決めのようなこだわりポーズをろとるケースも多いようです。男子生徒さん達は、シャイなのかめんどくさがりなのか中々まとまりがつかないケースが多いので、「女子達みんなカッコいいポーズしてたよ」など言うと、対抗意識からかやる気をだしてくれてよい写真が撮れます。
こだわりポーズが無い場合は、もうすぐ就寝ということもありますので布団に入ってもらって撮ることもあります。
今回は、ケンカして泣いてしまっている生徒さんがおり、次の日に撮影することとなった班もありました。毎回、生徒さんの気質が違いますので、それに合わせて柔軟に対応するように心がけています。

これまでVol.1からVol.4まで少し細かなことまで書きすぎましたので2日目の屋外活動等は割愛させて頂きます。

2日目、生徒さん風呂上り後に各班の部屋に戻り自由時間での話。
Vol.1,2で取り上げましたカメラを攻撃してきみたり、長枝でたたいてみたり、どついてみたりする生徒さんですが、各班の部屋に戻らず風呂の階にある本棚より、動物図鑑を出してきて廊下のソファーに寝転がり、その本を熱心に見ていました。
話を聞いてみると、どうやら動物が好きでいくつか鳥など関する詳しい説明をしてくれました。とても感心しましたので「とっても詳しいんだね」などと言うと満足そうな笑みを浮かべていました。
やはりここでも、特異性をもっており他の生徒さんとはなじめず一人行動で寂しそうにも見えます。しばらくすると、先生に「自分の班の部屋へ戻れ」と何度か言われていましたが戻らずに長くそのソファーにいました。
自分自身も小学生時代に特異な事と不得意なことの差が大きく他の生徒となじめなかった時期があったことを思い出し、この生徒さんと心の内が共有できるものがあるように感じました。
私が笑顔に執着するのは、この頃に受け入れてもらえなかった自分が笑顔のキャッチボールに憧れた思いからきているように思います。そこから脱せられたカメラというコミュニケーションツールの発見と自ら行動できたことはラッキーでした。
そして中学校入学を機に激変し、先生からも先輩、後輩、同期生徒からも自分の存在を認めてもらっているという実感できる事が多々あり救われました。
この生徒さんも得意とするところが皆に理解され、もっと受け入れられていってくれることを願っています。

作者 笑顔の写真家:酒井徹也

笑顔の写真家:酒井徹也

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれないコメントは投稿できませんのでご注意ください。