過去の経験がもたらす「~であろう」の判断ミス

人は過去に自らが経験した事柄をパターン化して、再び同じ様な状況が起きそれを判断する時、過去の成功例からそれを選択する癖があります。しかし、全く同じ状況であることはまず無く、その判断に縛られて失態を犯す事がよくあります。
それぞれの人が、同じ様な事に対し違う経験により行動している事に気づかず、各々が「~であろう」行動し、各々誤判断してしまう事があるのです。

これまで修学旅行や移動教室などで、タイムスケジュールが変更されたり行き場所が追加されることは有っても、学校のしおりで定められている場所が変更されることは有りませんでした。
今回、修学旅行1日目に旅行会社の添乗員が学校のしおりの内容を確認してタイムスケジュールを変更しましたが、学校側のしおりと添乗員の日程表の行き場所が違っていることに気づかずに、添乗員のスケジュールの通り実施されたことによりトラブルが生じました。
行き場所など違えば料金も違うので、常識的には有りえないことと思っていましたが実際に起きた出来事です。
少なくとも旅行会社は、出発前に学校のしおりの日程スケジュールを確認し、スケジュールに相違が無いことを確認しておく必要があるでしょう。
やむおえず、行き場所が追加されたり変更が起きた場合は、口頭連絡で済ませず訂正したスケジュール表のペーパーを配布して間違え防止する配慮が必要な重大な事でしょう。

生徒の方々のとてもよい笑顔の写真を写すことができました修学旅行でした。
サポート側のトラブルでご迷惑をお掛けしません様により改め、皆様の思い出づくりのお手伝いをする心して精進して参ります。

遠足や移動教室の昼食グループ集合写真

遠足や移動教室でレジャーシートの上に座りお弁当を食べているシーンでは、行動班毎に集まって食べる学校と気の合った仲間同士が集まって食べる学校があります。
班や仲間同士といいましてもテーブル席に座っているのではなく、生徒さん方が敷いたレジャーシートの上でてんでの方向を向いて食べていますので、写真の納まりが良いように位置を移動してもらって撮らないと広範囲を撮ったような引きの写真になってしまいます。
販売用の写真として1グループを沢山のバリエーションで撮ってほしいというご依頼が時々ありますが、写真撮影の為に視線を頂戴することを何度も繰り返しますと生徒さん方の食事の邪魔になります。また、屋外の慣れない場所での食事で食が進まない生徒さんや、食事時の撮影を嫌う生徒さんがいる場合が多いです。
腹ペコの生徒さん達ですので早く撮影しないと生徒さん達はお弁当を食べ終わってしまいますので1ヶ所にあまり時間をかけた撮影はできません。

あたりまえのことですが、写真撮影の為に学校行事があるのではありませんので、なるべく場の雰囲気を壊さないように配慮することを最優先しています。
生徒さん方が写真撮られるのが大好きでノリノリの場合は、いくつものバリエーションで撮影できますが、上記の様な場合のグループ集合写真を生徒さんもれなく全員撮る場合は、何れかの1枚に写っていれば良しとする程度にと思います。
クラス数にもよりますがこういった昼食の撮影は、昼食抜きの事が多いです。
そういったカメラマンの方が多いと思います。
私の場合、生徒さんの笑顔写真を撮っていると、いつもお昼は忘れてしまいます。

とある小学校の移動教室での話vol.5(特異性の理解)

とある小学校の移動教室での話 vol.1 vol.2 vol.3 vol.4
※上記リンク「とある小学校の移動教室での話vol.1、vol.2、vol.3、vol.4」の続きの話です。

生徒さん達は各班の部屋に戻り、寝る前にの一日を振り返り日記を書きます。
通常、初日のその時間帯に各部屋毎の班の集合写真を撮ります。
各部屋毎の班の集合写真で女子生徒さん達は、あれこれチアーの決めのようなこだわりポーズをろとるケースも多いようです。男子生徒さん達は、シャイなのかめんどくさがりなのか中々まとまりがつかないケースが多いので、「女子達みんなカッコいいポーズしてたよ」など言うと、対抗意識からかやる気をだしてくれてよい写真が撮れます。
こだわりポーズが無い場合は、もうすぐ就寝ということもありますので布団に入ってもらって撮ることもあります。
今回は、ケンカして泣いてしまっている生徒さんがおり、次の日に撮影することとなった班もありました。毎回、生徒さんの気質が違いますので、それに合わせて柔軟に対応するように心がけています。

これまでVol.1からVol.4まで少し細かなことまで書きすぎましたので2日目の屋外活動等は割愛させて頂きます。

2日目、生徒さん風呂上り後に各班の部屋に戻り自由時間での話。
Vol.1,2で取り上げましたカメラを攻撃してきみたり、長枝でたたいてみたり、どついてみたりする生徒さんですが、各班の部屋に戻らず風呂の階にある本棚より、動物図鑑を出してきて廊下のソファーに寝転がり、その本を熱心に見ていました。
話を聞いてみると、どうやら動物が好きでいくつか鳥など関する詳しい説明をしてくれました。とても感心しましたので「とっても詳しいんだね」などと言うと満足そうな笑みを浮かべていました。
やはりここでも、特異性をもっており他の生徒さんとはなじめず一人行動で寂しそうにも見えます。しばらくすると、先生に「自分の班の部屋へ戻れ」と何度か言われていましたが戻らずに長くそのソファーにいました。
自分自身も小学生時代に特異な事と不得意なことの差が大きく他の生徒となじめなかった時期があったことを思い出し、この生徒さんと心の内が共有できるものがあるように感じました。
私が笑顔に執着するのは、この頃に受け入れてもらえなかった自分が笑顔のキャッチボールに憧れた思いからきているように思います。そこから脱せられたカメラというコミュニケーションツールの発見と自ら行動できたことはラッキーでした。
そして中学校入学を機に激変し、先生からも先輩、後輩、同期生徒からも自分の存在を認めてもらっているという実感できる事が多々あり救われました。
この生徒さんも得意とするところが皆に理解され、もっと受け入れられていってくれることを願っています。

とある小学校の移動教室での話vol.4(スリルの後の笑顔写真)

とある小学校の移動教室での話 vol.1 vol.2 vol.3
※上記リンク「とある小学校の移動教室での話vol.1、vol.2、vol.3」の続きの話です。

vol.3の一幕、飯ごう炊さんを終え諸々の作業の後、入浴タイムです。
湯上りの生徒さん達をお風呂の出入り口前でスナップ撮影。
やんちゃな生徒さん達も湯上りはほんのり頬を赤らめリラックスしている様子で撮影させて頂きました。
湯上り後、お風呂の出入り口前に用意された牛乳を飲むことになっており、「濃い・薄い・甘い?」「いつも飲んでいる学校の牛乳の方が好き?」など色々と生徒さん方の牛乳談義もありました。いつの時代も牛乳嫌いの生徒さんは大変な思いです。

入浴後は各班の部屋に戻り整理整頓、いよいよ屋外に出てナイトハイクです。
宿舎前にて施設スタッフの方より「耳を澄まし静かに歩けば風や生物の鳴き声や思いがけないものが見えるかもしれません」などナイトハイクの説明が、先生からはナイトハイクで以前にあった出来事や注意事項の話が生徒さんにありスタート。

真っ暗の中、ナイトハイク順路の茂みに隠れて生徒さんを待ち、写真を撮ります。
こんな時は、「カメラマン脅かしてんじゃねえ」「消えろよ」などと色々とやんちゃな生徒さん達がよく騒ぎ、女子は、大きな悲鳴で気を紛らわせる子や本気泣きしてしまう子もおりました。

以前のナイトハイク(肝試し編)では、男女ペーアーで最初男子が手を引きリードしていますがビックリポイントでとっさに女子の後ろに男子が回って顔を伏せてしまった写真が撮れたりしました。肝試しの場合は、先生方とカメラマンの連携でドッキリ効果と楽しさをアップできるようです。

一通りナイトハイク順路を回りきった生徒さんの最終を確認し生徒さんの集まる場所へ移動。やっと終わったという安堵からか、回りきった満足感からか、緩んだ良い表情を見せてくれますのですかさず笑顔写真を撮ります。

この後、生徒さん達は各班の部屋に戻り日記を書きます。

とある小学校の移動教室での話vol.3

とある小学校の移動教室での話vol.1
とある小学校の移動教室での話vol.2

※上記リンク「とある小学校の移動教室での話vol.1、vol.2」の続きの話です。

移動教室初日、宿舎に到着しクラス集合写真撮り終えて諸々の事柄を済ますと飯ごう炊さんを行いカレーライス作りを生徒達は行った。
釜戸毎に班に分かれて作業している様子と班毎集合写真を写すのですが、好き勝手に他の班の釜戸に行っている子が多く班毎集合写真を撮れるように生徒をそろえるのに手間取ってしまう。ここでは「俺たちの写真を写すな」と言っていた生徒さんの班構成が違っており、また、炎に刺激された満足感からか「俺たちの写真を写すな」コールが起きること無かったのは幸いでした。

そうこうしているうちにカレーもご飯も出来上がっていましたが、釜戸に大量の薪をくべて炎が立ち上って危険な釜戸がありましたが、施設指導員の方が急いで消火され、ご立腹の様子でした。

食事も終わり片付けを皆でしていますが、テーブルの下にゴミ・軍手・ハンカチ等が散乱しているにもかかわらず誰も拾おうとする気配がありませんでした。
それらを指摘して行動させるより、自ら行動して異常を理解してもらおうと思いました。
そこで私自身がそれらを拾って回り「これ誰の物?」「あっちにもゴミ落ちてるよ。拾ってね。」などと言って、生徒さん達が行動するように誘導しました。
本来、カメラマンが口出しするようなことでは無いこと、あまり出しゃばりすぎると先生方のプライドというか癇に障ってしまうのではと迷う心もありました。

全ては「皆さんが楽しく有意義であったと思える思い出の為、その笑顔の為へ」の行動。
しかし、人それぞれ「受け止めて下さる方」もいれば「虫が好かなく思われる」こともある。
今日も「生かして下さりありがとうございます」と心の中で手を合わせる。

とある小学校の移動教室での話vol.2

とある小学校の移動教室での話vol.1

※上記リンク「とある小学校の移動教室での話vol.1」の続きの話です。

移動教室の初日の昼食後、沢山の遊具のある広場へ移動して学生は自由行動。
皆さん楽しく遊んでいました。
ふと気づくと例のカメラを攻撃してきた生徒さんは、60~70cm位の長い枝を両手に持ち、遊具や他の生徒をたたいたり突いてみたりしている。当然、他の生徒さんは関わりたくないのでしょうから何気に無視している様子です。
しばらくすると、標的は私に・・・結構痛いぞ。調子に乗って何度もたたいてくる。
長い枝なので誤って誰かの目突いてしまう恐れもあり危険ですので、先生に報告して指導してもらいました。
この広場での生徒さんたちの楽しんでいるシーンを撮影しなければなりませんので、一人の生徒さんだけに関わっているわけにはいきません。
ここでの自由行動が終わりバスに戻る道で、私は、例の生徒さんに不意を突かれ、後ろからど突かれて前につんのめってしまい「痛い!」と叫んでしまった。
その場にいた周りの女子生徒さん達は間髪を容れず「写真撮って」「写真撮って」「写真撮って」と言いながら、皆で私に笑顔をくれたので、急いで皆の笑顔の写真を撮らせてもらいました。
「これは何という絶妙なタイミングなんだ」一人のミスを周りの生徒皆で補っている。
ど突いてきた生徒さんも私も、この女子生徒さん達に救われました。

正直言って、あの笑顔を頂戴できなければ、私は大人げなくしょぼくれてしまっていたかもしれません。
とっさに作ってくれた作り笑なのかもしれませんが、おそらく人の為にとっさに行動した気持ちは本物です。
笑顔の力は大きいと改めて痛感した出来事でした。

とある小学校の移動教室での話vol.3

とある小学校の移動教室での話vol.1

移動教室初日前半午前中、まだ子どもたちとそう馴染めていないころ。
製作指導員の方の実演説明から木彫りの皿を彫り出した生徒達。
楽しそうに皿を彫っている子もいれば、彫刻刀が上手く扱えず憂うつそうな子もいる。
指導員が手取り教えようとすると「触るな。自分でやるから触るな。」と叫ぶ子もいた。
黙々と作業している様子を撮影して回ると、先ほどの鬱憤の溜まったのであろう子がカメラを拳で攻撃してきました。
拳はレンズフードの先端に当たり、手が痛かったのか、更にむきになってカメラを狙う。
色々な子供たちと関わってきましたが、カメラを攻撃してくる子は初めてでした。
「まあまあ」とその子の方に手をやると更にエスカレートしてしまいましたので、しばらく近づかないようにするしかありませんでした。
次の目的地、少々雨がぱらつく中レジャーシートを引いて傘広げて昼食でした。
ある班の一人が「写真撮って売りつけてんじゃねえよ」「写真撮るなよ」と言うとその班の子達は口をそろえて「写真撮るなよ」と言い出す。
「写真は買わなくてもいいんだよ」と言うと「買わないんだから撮るなよ」っと言われ、なるほど理屈は通っていますので、その意思を尊重し、先生の了解のもとその班の撮影を止めました。
先生方の話の中で、特定の子の言うようにしていないとその子が暴れ出しめちゃくちゃになることを知っているそうで、逆らわないようにしている「皆、悟ってて偉いなあ」などと先生は言っていた。これは、一般的に負の勢力に従い屈していることになるでしょう。
私の学生の頃は、体罰があたり前のようにあり、おかしな行動をすれば直ぐにポカリと小突かれつまみ出され、度重なれば先生から容赦なく養護学校への転校を進められたものでした。
最近は、おかしな行動をしても皆で受け入れ和を保つように我慢し合うことが望まれるのか?先生の事勿れ主義なのか?生徒も学校側も大変なことであります。
色々と問題はありますでしょうが、おそらくこれは、アスペルガ症候群、発達障害等、個人の色々な違いを理解し合い共存共栄していくという深い意味があるのかなど、色々考えた出来事でした。

世の中、平等であってほしいものですが、実際は平等ということ無く、何かを立てれば何かが犠牲になる。そのバランスで成り立っている共存共栄の世界。

私の笑顔は、皆様の心からの笑顔で成り立っている。
とてもありがたいことであります。

とある小学校の移動教室での話vol.2
とある小学校の移動教室での話vol.3

運動会の嬉し涙、悔し涙と笑顔の写真

運動会結果発表の直後、勝利チーム感動の嬉涙が見えました。
2位チーム、6年生運動会実行委員が朝礼台の上でのコメント中に思わず溢れ出した悔し涙。
頬をつたう一筋の輝き、言葉につまりながらもがんばってコメントをしました。
学校側が無作為にクラス内を2分割し紅白チーム分けをして、得点するのに有利なチームが勝った。
紅白どちらもかわらない気持ちで一生懸命がんばっていました。
これも共存共栄。
互いが向上心を持って励ましあいながら生きていく学びの一つなのでしょうか。

運動会の後、チーム毎の集合写真を撮影しました。
並びを整えながら生徒さんと会話しながら心地よい雰囲気を演出し、余所行きの笑顔から人間味あふれる笑顔に変わる瞬間まで、その笑顔のバリエーションを感じ撮影してみます。
運動会中もそうでしたが集合写真撮影後にも多くの生徒さん方に「写真撮って」と声を掛けられ、我が子のような心持ちで皆さんの笑顔の写真を撮ることができました。
大切な思い出の一時にお供できましたこと、嬉しく思います。
ありがとうございます。

秋の小学校運動会:笑顔の写真

過去に不登校の生徒さんがいる学校の先生から「今日は、○○君が運動会に参加しているから、必ず沢山○○君を撮ってください」とオーダーされたりしたことも多々ありました。
ご事情はさまざま、むしろ皆無の学校の方が珍しいのかも知れません。

先日、小学校の運動会に伺い、卒業アルバム制作用の写真を撮影してきました。
通常の運動会撮影と特別学級の生徒さん1人のみ別撮影し集合写真等に合成するご依頼もありました。先生から「この特別学級の生徒さんは、何時も写真を撮られるのをいやがり、これまで写真がほとんど撮れていないので今回は、是非、撮してほしい」とのことでした。
教室で静かに一人で絵を描いているときに一度声をかけてみましたが、その時は写真なんて気分じゃないようでした。この生徒さんは上手に絵を描いていましたので「絵が上手なんだね、おじさん写真屋だけど絵は上手く書けないな。写真は撮さなくてもいいかな。また来るからその時、気分わるくなかったら、おじさんに写真撮らせてね。」と言っておき、運動会の合間に何度か様子を見に行きました。途中、付き添いの先生からは「今日は写真を撮ること難しそうですので撮れなくてもよいです。」とのお話もあり、そうこうしている間に運動会が終わってしまいました。
組毎の集合写真は、皆さんと楽しく大きな声で笑い騒ぎながら撮り終え、残るは撮影は教室にいる生徒さん1人のみ。最後におっちゃんとカメラで遊んでみない?っという気持ちで「気分どうだい」など声をかけてみましたら、この生徒さんが「どこで撮すの?」と言いそれから少し会話することができ、貴重な写真を撮影できました。
たまたま、この生徒さんが決心してくれただけのことかもしれませんが、日々、精一杯生きられますように、色々とちっちゃなチャレンジしてみます。